生理痛とは

生理痛は多かれ少なかれほとんどの人にあると言われています。日常生活に支障のない軽い症状であれば特に問題はありません。しかし、立ち上がれない、歩くこともできない、仕事や学校に行けないような、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、早めに婦人科を受診してください。生理が近づくと体調が悪くなど症状がある場合もご相談ください。また、性交渉の経験がない方は経腹超音波検査で対応し、必要に応じてMRI検査を他施設で撮影させていただきますので、安心して受診してください。

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生理痛の治療

まずは、大きな病気が隠れていないか検査を行います。病気が見つかった場合は、それぞれの疾患に合わせた治療を行います。手術が必要な場合は、提携している医療機関へご紹介させていただきます。
病気がないものの激しい痛みのあることを、「機能性月経困難症」と言います。鎮痛剤、漢方、低用量ピル、ミレーナなどの薬を用いて、症状を和らげる治療を行なっていきます。全て保険適応となります。性交渉がなく内診ができなくても低容量ピルの処方は可能ですので、まずはご相談ください。

生理不順とは

生理不順は月経に関する悩みの中でも突出して多いとされている症状です。生理不順とは、一つの状態を意味するものではありません。例えば、月経周期が正常とされる周期(25~38日)で来ない、月経期間が正常とされる期間(3~7日)よりも短い、あるいは長い、月経時の経血量が平均とされる量(約40mL)よりも多い、または少ない場合などが挙げられます。生理周期の変化や出血量の変化、ひどい生理痛は、大きな病気が隠れている可能性があります。変化や異常を感じた時には、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

生理不順の種類

頻発月経

月経の周期が24日以内で来るケースを頻発月経と言います。この場合、無排卵なことが多く、思春期の女性に起きやすいです。無理なダイエットやストレスを引き金としたホルモンバランスの乱れ、子宮、卵巣、甲状腺等の病気の影響によって発症することもあります。ちなみに排卵があって周期が短い場合は、黄体機能不全の可能性が高いです。また通常の月経よりも短い期間で出血がみられるので不正出血と見分けがつきにくくなっています。

稀発月経

月経周期が39日以上3ヵ月未満の状態にあると稀発月経と診断されます。原因に関してですが、急激な体重の増減やストレスによるホルモンバランスの乱れをはじめ、子宮、卵巣、甲状腺等に何らかの疾患がみられるほか、多嚢胞性卵巣症候群の一症状として現れることもあります。

上記以外にも、初経から間もなくの状態で、月経が順調でない場合に起きることもあります。ただこの場合は治療の必要はありません。

過長月経、過多月経

月経の正常な持続期間は、3~7日間とされています。この月経期間が8日以上続くと過長月経と診断されます。また月経時にみられる正常とされている経血量は、20~140mLとされていて、140mLを超えていると判定されると過多月経と言われます。ちなみに経血量は正確に測ることはなく、問診などにより経血量が異常と感じた場合に判定されることになります。

原因については、過長月経も過多月経も同じ原因で起きることが多く、何らかの病気に罹患することで起きる器質性のケースもあれば、画像検査等を行っても原因とされる病変が見当たらない機能性の場合もあります。器質性としては、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症等の子宮に関係する病気等の可能性が考えられます。機能性としては、血液凝固に関する障害のほか、黄体機能不全、無排卵周期症等が挙げられます。

主な症状ですが、出血量が多くなると貧血症状として、動悸、息切れ、立ちくらみ、めまい、易疲労性などがみられるようになります。

過短月経、過少月経

正常とされる月経期間(3~7日)よりも期間が短い場合(3日未満)を過短月経、月経時の経血量が20mLよりも少ないと判定されると過少月経と診断されます。なお経血量に関しては、正確に計測するのは困難なので、あくまで参考程度ではあります。

原因に関しては、過少月経、過短月経ともに同じであることが多く、器質性疾患としては、子宮発育不全や子宮腔癒着症といったことが考えられます。機能性疾患であれば、卵巣から分泌される女性ホルモンの機能低下、排卵傷害などが挙げられます。