出生前検査とは

生まれてくる新生児の3~5%は何らかの異常(先天異常)を持って生まれると言われています。先天異常は、形態異常や染色体異常、発育異常など多種多様です。そのような異常の有無に関して、生まれる前に検査を行い、診断をつけていくのが出生前検査です。なお同検査については、夫婦(カップル)の自発的な意思によって行われるもので、すべての先天異常が調べられるわけではありません。

出生前検査は完全予約制ですので、診療時間内にお電話(052-325-8080)でお願いいたします。

図:先天性疾患の頻度と染色体疾患
(Thompson & Thompson Genetics in Medicine 8th Edition Saunders 2016:Wellesley D. et al. Eur J Hum Genet 2012: 20:521)

当院は、以下の出生前検査を行っています。なお当院長は、FMF(The Fetal Medicine Foundation)が発行しているNT(nuchal translucency)計測の国際資格と、胎児心エコー認証医を有しており、出生前検査は全て院長が担当します。

初期超音波スクリーニング検査

妊娠11~13週6日までの間に行う超音波検査で、染色体異常(ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミー 等)のリスク評価と大きな形態異常の有無を調べる検査になります。染色体異常がある場合、同検査の時期に限定して首の後ろにむくみ(NT :Nucha Translucency) がみられることがあります。またNT以外にも、心拍数、鼻骨、静脈管逆流、三尖弁膜逆流の有無などを確認しながら染色体異常のリスクを評価します。採血のみで行うNIPTとは違い、大きな形態異常を検査することができます。診察日に結果をお知らせします。妊娠12週~13週の受診をお勧めしております。

妊娠初期コンバインド検査

母体血清マーカー(採血による血液検査:血液成分中のPAPP-A)と精密超音波検査(NT測定)を組み合わせた検査のことを言います。妊娠11~13週6日の期間に行うことができます。ダウン症候群(21トリソミー)と18トリソミーのリスクを評価する検査となります。その結果、基準値とされる確率(カットオフ値)よりも高いとなれば、「スクリーン陽性」と判定されます。採血のみで行うNIPTとは違い、大きな形態異常を検査することができます。結果が出るまでには2週間程度の期間を要します。妊娠12週~13週の受診をお勧めしております。

中期/後期超音波スクリーニング検査(胎児心臓スクリーニングを含む)

妊娠19~20週、あるいは28~30週くらいの期間に行う超音波スクリーニング検査です。初期超音波スクリーニング検査では確認することができない、心臓、指、口唇や臓器などのさまざまな形態異常の有無、さらに発育の状態などをみていきます。妊婦健診の中では行うことができない詳細な超音波スクリーニング検査です。検査結果から異常が疑われた場合は適切な医療機関にご紹介させていただきます。

遺伝カウンセリング(妊娠11〜13週に受診し、医師と相談して検査を選ぶ)

初期超音波スクリーニング検査 → 当日に結果レポートをお渡し
妊娠初期コンバイド検査 (精密超音波検査+採血)→ 結果レポートを郵送+お電話またはオンライン診療にて結果のご説明

初期超音波
スクリーニング検査
28,000円(税込)
妊娠初期
コンバイド検査
31,000円(税込)
中期/後期超音波
スクリーニング検査
22,000円(税込)