産科について

産科は、妊娠、出産から産褥までの全般に関わる診療科のことです。なお当院は分娩を取り扱っていませんので、別の医療機関で出産をすることになります。したがって、あらかじめ出産希望の病院等があれば、ご自身で分娩予約をしていただきます。とくに決めていなければ、当院と地域連携している分娩可能な医療機関を紹介いたします。

当診療科では、母体と胎児の状態を診察して、妊娠初期から妊娠32週頃までの間の妊婦健診を担当します。以降は紹介先の医療機関で受診していただくことになります。状況により早めにご紹介させていただく場合があります。

当院では、セミオープンシステムを利用した周産期管理をお勧めしております。セミオープンシステムとは、分娩や緊急時は総合病院で、日頃の妊婦健診は当院で受けていただける、患者さんにとって便利で安心な周産期医療システムです。「名古屋大学医学部附属病院」、「やごと周産期ネットワークシステム」、「周産期saveネットワーク」の連携施設に登録しています。ぜひご利用ください。

また、産後は助産師による母乳外来を行っています。母乳外来は完全予約制のため、お電話(052-325-8080)でご予約をお願いします。

受診予約をする

出生前検査については、出生前検査のページをご覧ください。

妊婦健診とは

妊婦さんと胎児(お腹の赤ちゃん)の健康状態を定期的に確認するほか、妊娠合併症(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病 等)の可能性を診察します。また単に定期的に検査を受診するというだけでなく、日常生活に何かしらの支障はないか、栄養状態などもみていくほか、医師や看護師などに、妊娠、出産、育児等に関するご相談も行える時間も設けられています。つまり身体の状態を確認するだけでなく、ストレスが溜まりにくい環境によって精神面でもリラックスできる空間づくりも大切にしています。

なお妊婦健診を受ける頻度に関してですが、妊娠初期から23週までは4週間に1回の間隔で受診します。その後、妊娠24週〜32週では頻度で受診していきます。その後は分娩施設で妊婦健診を受けていただきますが、状況によって早めに分娩施設へご紹介させていただく事があります。また通っている最中に身体に何らかの症状がみられたという場合は、健診予定日に関係なく、その都度受診されるようにしてください。

健診内容に関してですが、毎回共通して行われる検査項目と妊娠週数によって必要とされる医学的検査があります。

毎回の妊婦健診で検査が必要とされる項目

  • 医師による問診と診察
    内容は妊娠週数により異なります。必要に応じて内診を行います。
  • 血圧測定
    妊娠高血圧症候群の有無を調べます。自宅血圧測定をお願いすることがあります。
  • 尿検査
    尿糖や尿たんぱくの数値を確認し、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病の可能性をみていきます。
  • 体重測定
    適切な体重増加をしているか、急なむくみの悪化などがないかなどを確認します。
  • 浮腫検査
    主に足のむくみを確認します。
  • 超音波検査
    経腟もしくは経腹によるエコーによって、母体に異常がないか、胎児の状態の確認等をしていきます。
  • 保健指導
    生活や食事面のアドバイスのほか、妊婦さんが安心して妊娠生活が送れるように悩みや不安のご相談にも応じます。

妊娠週数によって必要とされる医学的検査

妊娠初期~23週
血液検査【初期に1回】
血液型(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)、血算(白血球、赤血球、血小板の数など)、血糖、B型・C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風しんウイルス抗体
子宮頸がん検診(細胞診)【初期に1回】
超音波検査【期間内に2回】
妊娠初期~30週
血液検査【妊娠30週までに1回】
HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)抗体検査
性器クラミジア【妊娠30週までに1回】
妊娠24~35週
血液検査【期間内に1回】
血算、血糖
B群溶血性レンサ球菌【期間内に1回】
超音波検査【期間内に1回】
妊娠36週~出産
血液検査【期間内に1回】
血算
超音波検査【期間内に1回】

母乳外来 1回30分前後
初回:5,500円/回(税込)
再診:3,300/回(税込)